セラピストブログ

2025.12.06 😲 驚きの「お世話したい!」衝動と、鼻毛が導く前世への旅路

それは、94歳の義父が放った一言から始まった。

「立ち上がれん」

脳梗塞の後遺症で左半身が麻痺している義父が、いつもの椅子で力なくつぶやいた。彼の「立ち上がり」がいかに命懸けの儀式であったか、私は知っている。あのピックアップ(歩行器)を使いこなす義父が…。

「いよいよか…」

私の脳裏に、漠然とした諦念の霧が立ち込めた。

すぐにケアマネさんに連絡し、支柱式の手すりを借りて様子を見ることに。しかし、取り付けからわずか2日後、義父はまさかのひと言を放った。

「使いにくい」

再び集結した四者会談(ケアマネ、レンタル担当、私たち夫婦)。義父を囲んで支柱の位置をミリ単位で調整し、いざ試運転!義父は支柱を右手で掴み、**「ん"〜!」**と力を込めた、その瞬間――

スッと、彼は立ち上がったのだ。

その場に響き渡る、我々の万雷の拍手喝采!義父はすっかり気を良くし、まるでミュージカルスターのように四度も立ち上がり、スタンディングオベーションに応えた。

「なぜに…」と頭の中がクエスチョンマークで埋まる中、「これで様子を見ましょう」とケアマネさんが締めの言葉を述べた、その時。

私が凝視していたのは、感謝で頭を下げる義父の顔面中央。鼻の穴から「コンニチハ!」と頭を覗かせている、逞しい鼻毛の束だった。

その瞬間、私の心を突き抜けた驚愕の思いとは――

『鼻毛切ってやらなくちゃなー』

**今、**なぜ?義父が元気な頃からあそこでコンニチハしていた鼻毛だというのに!

この唐突な衝動は何だ?私は悶々とした。

そして、さらに強烈な次なる衝動が湧き起こる!

『お世話したい!!』

幼い頃から周りの大人たちの世話を焼き続け、長じてからも世話漬けの人生を送ってきた私。だが、ここで立ち止まった。「いやいやいや待て。まだ世話したいんか?し足りないんか?」自己に問いかけ、焦りが募る。

義父の髭や鼻毛の世話は、**息子の役目(つまり私の旦那!)**のはずだ。鼻毛カッターの存在がちらつくが、私は直接手を出すのは避けたい。

「よし、旦那に言おう!」

決意を胸に伝えた鼻毛と髭の話。しかし、旦那は鼻毛を見事にスルー。

あれ?

ここで私は気づいた。この「お世話したい」という衝動は、旦那というフィルターを通して、義父の世話を焼くことで間接的に満たされているのではないかと。

「もうそろそろ、**他人の世話を焼くのは終わりでいいよね?**自分の世話を焼く番じゃないか。なんなら旦那の世話だって必要ないはず!」

心の奥の自分に訊くと、返ってきたのは――

『えー、まだやりたーい』

なんでじゃ_(:3 」∠)_

なぜ、こんなにも世話を焼きたいんだ!これはきっと、前世だ。前世に違いない!

私一人ではどうにもならず、セラピスト仲間の結季音さんに助けを求めた。

そして案の定、浮かび上がってきたのは――世話をしたくても、できずに散った幼い前世の私。

遊牧民の幼い私が、羊を追い、両親を手伝う充実した生活。しかし、驚いた羊の群れの暴走に巻き込まれ、幼い命を散らした。

両親の嘆きと、「まだまだお世話したい」という、残された子どもの強烈な未練が、魂に深く刻まれていたのだ。

「ありゃー、これが解放されないと終わらないのか…」

結季音さんが誘導を試み、「終わらせて良い」と伝えても、「終わらせたくない!」と駄々をこねる前世の子。ならば!と、私は最終手段に出た。

その子を生き返らせ、枯れて死ぬその瞬間まで、周囲の世話を焼かせまくる!

その結果、前世の子は、スルメのように干からびたお婆さんになるまで世話を焼き続け、ついに満足してくれた。

『お世話したい!』欲、ここに昇華!

ありがとう、ありがとう。これで私の「お世話したい」本能は、静かな眠りについた。


「これからは自分を世話すれば良いよね」と結季音さんは〆てくれた。ありがとう。


お世話したいという私の課題は終わったのだ!


日々いろいろな事が出てくるけれども、それを癒していけば気持ちが楽になります。皆さんも、癒されてみませんか?

😲 驚きの「お世話したい!」衝動と、鼻毛が導く前世への旅路